『だって気になるお年頃』
女子の皆さんに質問です。あなたはどこにキスされるのが好きですか? 草介の彼女の加奈子さん。いかがですか? 「えっ、えっとぉ……やっぱり唇?」 王道ですね。 「まぁ、草介先輩のキスって、すごく優しいので愛されてる感があります」 ありがとうございます。 忍の彼女の都さんはいかがですか? 「えっ! えと、あ……のっ、……す」 なんとおっしゃいました? 「ぉ……でこ、です」 可愛らしいですね。 「あ、ぅ……えと、……はぃ」 男の子に質問です。どこにキスするのが好きですか? 普段は元気なお子様、時折狂犬。最近は一番常識人の草介君。 「えっとねぇ、やっぱ唇が好きだねっ」 加奈子ちゃんと同じとは、さすが相思相愛のカップルですね。 「あ、一緒なんだ。嬉しい」 ちなみにどうして? 「加奈子ちゃんの唇って、柔らかくてキスした時に幸せな気分になれるから」 甘い答えをありがとうございます。 アホ全開で、ようやく愛しの人を落とした忍君。 「んとねぇ、ほっぺかな」 あら、もうそこまでいったんですね? 「そこはぁ……ね……?」 あ、……心中お察しします。 「うん。あ、でもほっぺなのはちゃんと理由ある」 なんですか? 「都ちゃん、おでこにチューされんの好きなはずなんだよね。で、おでこってほっぺより唇が遠いでしょ? だから、おでこにするふりしてほっぺにしたら、おでこにされるかもっていうのと、唇にチューされんじゃないかってドキドキをいっぺんに味わってもらえんじゃないかなぁと」 要するに、キュン死させてみたいという欲望なんですね。 「違うよ、これは妄想」 たいして変わらないと思います。 さて、トリを飾ってくれますのは、秀才で窓際の王子。中身は何を考えているか分からない杉山君。どこにキスしたいですか? 「尻」 ……えっ? 「尻」 あ、ちょっ……すいません。 「なんだ。聞き取るのが下手くそだなぁ。尻といったら尻がいいんだから。どうして尻と言う言葉を聞き取れない。いいか、尻。し・り」 わ、分かりました。分かりましたって! 一応、少女系の小説なんですから、そんな尻尻言わないでください。 「聞き取れないのが悪い」 ……だって、あんまりびっくりする事言うから。 「なんか言ったか?」 い、いいえっ。ちなみに聞きますけど、どうしてお尻なんですか? というか、したことあるんですか? 「ある」 え……、誰の? 「歩のだが? 赤子の時、猛烈にふにふにしている柔らかいお尻がたまらなくて、何度か。証拠写真なら、ここにあるぞ」 アングルが色々危険な感じですけど、誰が撮ったんですか? 「俺以外に誰がいる。いや、しかし今も昔も柔らかくていい尻をしている……あの手触りがしっくりきて。……おい、どこへ行く」 あ、いや……ぼちぼち編集しなきゃかなぁなんて。……身の危険も感じるし。 「お前なんかに身の危険を感じられても困る。俺は歩を愛でるので精一杯だ」 あ、歩君! 今すぐ逃げてぇ! こうして、今日も平和に一日が過ぎたのです。 「……へくちっ。あったかくしなくちゃですね」 お兄ちゃんを止めてください。 10.01.10 UP |
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